AGA(男性型脱毛症)の治療を受けながら、健康維持や体力向上のために筋力トレーニングを続けたいと考える方は多いでしょう。しかし、AGA治療中に筋トレを行う場合、何か注意すべき点はあるのでしょうか。治療効果への影響や、トレーニング方法について解説します。まず、AGA治療の基本は、フィナステリドやデュタステリドといった5αリダクターゼ阻害薬の内服や、ミノキシジル外用薬の使用です。これらの薬剤は、AGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制したり、毛母細胞を活性化させたりすることで、薄毛の進行を遅らせ、発毛を促します。結論から言うと、これらの標準的なAGA治療と、適切な範囲で行われる筋力トレーニングは、基本的に併用しても問題ありません。むしろ、適度な筋トレは血行を促進し、ストレスを軽減する効果があるため、AGA治療をサポートする可能性も考えられます。ただし、いくつか注意しておきたい点があります。一つ目は、「過度なトレーニングを避ける」ことです。自分の体力レベルを超えた高負荷なトレーニングを長時間続けたり、十分な休養を取らなかったりすると、体に過度なストレスがかかり、コルチゾールといったストレスホルモンの分泌が増加します。これは、AGA治療の効果を妨げる可能性があるため注意が必要です。トレーニングは、無理のない範囲で、適切な休息を挟みながら行うようにしましょう。二つ目は、「栄養バランスの取れた食事」です。筋トレを行うと、筋肉の修復や成長のために多くの栄養素が必要となります。特にタンパク質は重要ですが、それだけでなく、髪の成長に必要な亜鉛や鉄分、ビタミン類もバランス良く摂取することが大切です。AGA治療薬の効果を最大限に引き出すためにも、栄養状態を良好に保つことは不可欠です。三つ目は、「アナボリックステロイドの使用は絶対に避ける」ことです。前述の通り、アナボリックステロイドはAGAを急速に悪化させるリスクが非常に高いため、AGA治療中はもちろんのこと、治療の有無に関わらず使用すべきではありません。四つ目は、「プロテインの選択と摂取量」です。プロテイン自体がAGAを悪化させるわけではありませんが、質の低い製品や過剰な摂取は、栄養バランスを崩したり、内臓に負担をかけたりする可能性があります。