加齢による薄毛が進行し、セルフケアや医療機関での治療だけでは満足のいく効果が得られない場合、あるいはすぐに見た目の印象を変えたいと考える場合、「ウィッグ（かつら）」や「増毛」といった方法で薄毛をカバーするという選択肢があります。これらは、薄毛の悩みを抱える方にとって、自信を取り戻し、QOL（生活の質）を向上させるための有効な手段となり得ます。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、自分に合った方法を選びましょう。まず、「ウィッグ」についてです。ウィッグには、頭部全体を覆う「フルウィッグ」と、気になる部分だけをカバーする「部分ウィッグ（ヘアピース、トップピースなど）」があります。フルウィッグは、髪型全体を大きく変えたい場合や、広範囲の薄毛をカバーしたい場合に適しています。様々なヘアスタイルやカラーがあり、ファッション感覚で楽しむこともできます。部分ウィッグは、分け目や頭頂部、生え際など、特定の気になる部分にピンポイントで使用します。自毛に馴染ませて使うため、より自然な仕上がりが期待できます。ウィッグのメリットは、装着するだけで瞬時に髪のボリュームアップやヘアスタイルの変化が実現できることです。また、髪や頭皮への負担が比較的少なく、手入れも比較的簡単です。デメリットとしては、高品質なものほど価格が高額になること、夏場などは蒸れやすいこと、不自然に見えないようにするための装着技術やメンテナンスが必要なことなどが挙げられます。次に、「増毛」についてです。増毛には、主に「結毛式増毛」と「編み込み式増毛」、「シート式増毛」といった方法があります。結毛式増毛は、自分の髪の毛1本1本に人工毛を結びつけていく方法です。非常に自然な仕上がりで、シャンプーやドライヤーも自毛と同じように行えます。編み込み式増毛は、頭皮に特殊な糸で土台を作り、そこに人工毛を結びつけた毛髪シートを編み込んでいく方法です。広範囲の増毛が可能で、安定感があります。シート式増毛は、薄い特殊なシートに植えられた人工毛を、専用の接着剤で頭皮に直接貼り付ける方法です。生え際なども自然に再現しやすく、水に強いという特徴があります。増毛のメリットは、ウィッグのように着脱の手間がなく、常に髪がある状態を維持できることです。また、自分の髪と一体化するため、より自然な見た目と感触が得られます。