-
美容師が語る!抜け毛と栄養の現場での実感
長年、多くのお客様の髪に触れ、その変化を見守ってきた美容師として、抜け毛と栄養の関係性については日々実感することがあります。お客様から抜け毛の相談を受けることも少なくありませんが、その際、生活習慣や食生活について伺うと、やはり栄養バランスの偏りが見受けられるケースが少なくないのです。例えば、極端なダイエットをされている方や、仕事が忙しく外食やコンビニ食が多い方、あるいは好き嫌いが激しく特定の食品しか召し上がらない方などは、髪に元気がない、細くなってきた、ツヤがない、そして抜け毛が増えたといった悩みを抱えていることが多いように感じます。髪の毛は、肌と同様に、体の中から作られるものです。健康な髪を育むためには、その材料となる栄養素が不可欠です。特に、髪の主成分であるタンパク質が不足していると、髪そのものが弱々しくなり、ハリやコシが失われ、切れ毛や抜け毛に繋がりやすくなります。サロンでのトリートメントで一時的に手触りを良くすることはできても、根本的な髪質の改善には、やはり内側からのケア、つまり栄養バランスの取れた食事が欠かせません。また、鉄分不足による貧血気味の方も、髪が細く、抜けやすい傾向があるように感じます。頭皮の色が青白い、あるいは黄色っぽい方は、血行不良や栄養不足のサインかもしれません。実際に、食生活を改善し、鉄分や亜鉛、ビタミンなどを意識して摂取するようにしたら、髪質が改善し、抜け毛が減ったというお客様もいらっしゃいます。もちろん、美容師は医師ではないため、医学的な診断や治療を行うことはできません。しかし、お客様の髪の状態や頭皮の色、質感などから、栄養状態がある程度推測できることはあります。そして、日々の食事がいかに髪に影響を与えるかということを、長年の経験から肌で感じています。お客様には、サロンでのヘアケアだけでなく、バランスの取れた食事の重要性や、質の高い睡眠、ストレスを溜めない生活など、トータルでのライフスタイル改善が、結果として美しい髪に繋がるということをお伝えするようにしています。抜け毛や髪質の変化は、体からのSOSサインかもしれません。美容師として、お客様がそのサインに気づき、健康的な生活を送るための一助となれれば幸いです。髪の悩みを抱えている方は、美容師に相談してみるのも一つの方法です。
-
加齢とAGA!進行を遅らせるための薄毛対策とは
AGA(男性型脱毛症)は、主に遺伝的要因と男性ホルモンの影響によって発症する進行性の脱毛症ですが、その進行には「加齢」も大きく関わっています。年齢を重ねるにつれてAGAの症状が現れやすくなったり、進行が早まったりする傾向があるため、早期からの適切な対策が重要となります。加齢とAGAの関係性を理解し、進行を遅らせるための薄毛対策について考えてみましょう。AGAの主な原因は、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素によって、より強力なDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、このDHTが毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体と結合することです。これにより、毛母細胞の増殖が抑制され、ヘアサイクルが乱れて髪が細く短くなり、薄毛が進行します。加齢とともに、このAGAのメカニズムがより顕著になる要因がいくつか考えられます。まず、5αリダクターゼの活性は年齢とともに変化する可能性があり、また、長年にわたるDHTの影響が蓄積することで、毛包の感受性が高まることも考えられます。さらに、加齢に伴う全身的な変化、例えば血行不良や細胞の老化、免疫力の低下なども、AGAの進行を助長する可能性があります。では、加齢に伴うAGAの進行を遅らせるためには、どのような対策が有効なのでしょうか。最も重要なのは、「早期発見・早期治療」です。AGAは進行性であるため、放置すればするほど薄毛は進行し、治療の効果も得られにくくなる傾向があります。生え際の後退や頭頂部の薄毛、抜け毛の質の変化(細く短い毛が増えるなど)といったAGAの初期サインに気づいたら、自己判断せずに、できるだけ早く皮膚科やAGA専門クリニックを受診し、専門医の診断を受けることが大切です。AGAと診断された場合、主な治療法は薬物療法です。5αリダクターゼ阻害薬である「フィナステリド」や「デュタステリド」の内服薬は、DHTの生成を抑制し、AGAの進行を遅らせる効果が期待できます。また、「ミノキシジル」の外用薬は、頭皮の血行を促進し、毛母細胞を活性化させることで発毛を促します。これらの治療薬は、医師の処方のもと、継続して使用することが重要です。治療薬に加え、「生活習慣の改善」もAGAの進行を遅らせるためには欠かせません。