プロの視点!美容師が教える抜け毛チェックポイント

美容師は、日々多くのお客様の髪に触れ、その状態を観察しています。そのため、お客様自身が気づいていないような髪や頭皮の微妙な変化にも敏感です。もし抜け毛が気になり始めたら、美容院で担当の美容師に相談してみるのも一つの良い方法です。プロの視点から、どのような点をチェックし、どのようなアドバイスをしてくれるのでしょうか。美容師がまず注目するのは、お客様の髪全体のボリューム感や密度です。以前と比べてトップがペタッとしてきた、分け目が広くなったように見える、つむじ周りの地肌が透けて見えるといった変化は、抜け毛や髪の細り(軟毛化)が進行しているサインかもしれません。美容師は、カットやスタイリングを通じて長年お客様の髪を見ているため、こうした変化に気づきやすいのです。次に、頭皮の状態をチェックします。シャンプー時や頭皮マッサージの際に、頭皮の色や硬さ、乾燥具合、フケやかゆみの有無などを確認します。健康な頭皮は青白い色をしていますが、赤みがかっている場合は炎症、黄色っぽい場合は皮脂の酸化や血行不良が考えられます。頭皮が硬く突っ張っているのも、血行が悪くなっているサインです。これらの頭皮トラブルは、抜け毛を悪化させる原因となるため、早期のケアが重要です。また、抜け毛の質も観察します。シャンプー時に流れていく髪の毛や、カットした髪の毛の太さやハリ、コシなどをチェックします。細くて短い毛が多い場合は、ヘアサイクルが乱れている可能性を示唆します。美容師は、お客様とのカウンセリングを通じて、生活習慣や食生活、ストレスの状況、使用しているヘアケア製品などについてもヒアリングします。これらの情報と、実際に髪や頭皮を触って得た情報を総合的に判断し、抜け毛の原因を探る手がかりとします。そして、その原因に応じたアドバイスを行います。例えば、頭皮環境が悪化しているようであれば、適切なシャンプーの選び方や洗い方、頭皮ケアの方法などを提案します。生活習慣の乱れが疑われる場合は、食事や睡眠の重要性についてお話しすることもあります。もちろん、美容師は医師ではないため、AGA(男性型脱毛症)などの医学的な診断や治療薬の処方はできません。しかし、抜け毛の初期サインに気づき、専門医への受診を促すきっかけを作ることはできます。