「最近、髪の毛がよく抜けるな…」と感じることはありませんか。シャンプーの時の排水溝、朝起きた時の枕元、ブラッシングした後のブラシ。ふとした瞬間に目にする抜け毛の量に、不安を覚える方は少なくないでしょう。髪の毛が抜けること自体は、誰にでも起こる自然な生理現象ですが、その量や質に変化が見られた場合は、何らかの原因が隠れている可能性があります。まず、髪の毛が抜ける主な原因として考えられるのは、「ヘアサイクルの乱れ」です。髪の毛には、成長期(髪が伸びる期間)、退行期(成長が止まる期間)、休止期(髪が抜け落ちる準備をする期間)というサイクルがあり、健康な状態であれば、このサイクルが規則正しく繰り返されています。しかし、様々な要因でこのヘアサイクルが乱れると、成長期が短縮されたり、休止期が長引いたりして、髪が十分に成長する前に抜け落ちてしまう、いわゆる「早期脱毛」が起こりやすくなります。ヘアサイクルを乱す要因としては、男性ホルモンの影響(AGA:男性型脱毛症)、女性ホルモンの変動(FAGA:女性型脱毛症、産後脱毛など)、加齢、ストレス、睡眠不足、栄養バランスの偏り、間違ったヘアケア、頭皮環境の悪化などが挙げられます。また、特定の疾患(甲状腺機能異常、自己免疫疾患など)や薬剤の副作用が原因で髪の毛が抜けることもあります。では、髪の毛が抜ける量が増えたと感じたら、どのような対策をすれば良いのでしょうか。まず、今日からできることとして、生活習慣の見直しが重要です。バランスの取れた食事を心がけ、髪の成長に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルをしっかりと摂取しましょう。質の高い睡眠を十分にとり、成長ホルモンの分泌を促すことも大切です。ストレスを溜め込まないように、自分なりのリフレッシュ方法を見つけ、適度に発散することも忘れてはいけません。正しいヘアケアも重要です。自分の頭皮タイプに合ったシャンプーを選び、優しく洗い、しっかりとすすぎましょう。頭皮マッサージを取り入れて血行を促進するのも効果的です。これらのセルフケアで改善が見られない場合や、急激に抜け毛が増えた、特定の部位だけが薄くなってきたといった場合は、自己判断せずに皮膚科や薄毛治療専門クリニックを受診し、専門医の診断を受けることをお勧めします。