健康な髪を育み、抜け毛を予防するためには、タンパク質やミネラルだけでなく、様々な種類のビタミンも不可欠です。ビタミンは、体内で直接エネルギー源や体の構成成分になるわけではありませんが、他の栄養素がスムーズに働くための潤滑油のような役割を果たし、頭皮環境を整えたり、髪の成長をサポートしたりします。抜け毛予防に特に効果的とされるビタミンとその働きについて見ていきましょう。まず、ビタミンB群は、髪の健康と非常に密接な関係があります。特に、ビタミンB2(リボフラビン)は、皮膚や粘膜の健康維持を助け、頭皮の新陳代謝を促進します。不足すると、皮脂の過剰分泌やフケ、頭皮の炎症などを引き起こし、抜け毛の原因となることがあります。ビタミンB6(ピリドキシン)は、タンパク質の代謝を助け、ケラチンの合成をサポートします。また、皮脂の分泌をコントロールする働きもあります。ビオチン(ビタミンB7またはビタミンHとも呼ばれる)は、皮膚や髪の健康を保つために重要な役割を果たし、不足すると脱毛や白髪の原因となることが知られています。パントテン酸(ビタミンB5)も、皮膚や毛髪の健康維持に関与しています。これらのビタミンB群は、レバー、肉類、魚介類、卵、乳製品、豆類、緑黄色野菜などに多く含まれています。次に、ビタミンCは、強力な抗酸化作用を持ち、頭皮の老化を防ぎます。また、コラーゲンの生成を促進し、頭皮の弾力性や潤いを保つ働きがあります。さらに、鉄分の吸収を高める効果もあるため、鉄分不足による抜け毛の予防にも役立ちます。ビタミンCは、果物(柑橘類、イチゴ、キウイなど)や野菜(ピーマン、ブロッコリー、じゃがいもなど)に豊富です。そして、ビタミンEも、ビタミンCと同様に強い抗酸化作用を持つ「若返りのビタミン」として知られています。血行を促進する効果があり、頭皮への血流を改善し、毛母細胞に栄養を届けやすくします。これにより、髪の成長をサポートし、抜け毛を予防する効果が期待できます。ビタミンEは、ナッツ類(アーモンド、ヘーゼルナッツなど)、植物油(ひまわり油、べに花油など)、アボカド、うなぎなどに多く含まれています。これらのビタミンは、それぞれが単独で働くのではなく、互いに協力し合って効果を発揮します。